2018年2月2日金曜日

弱いは強い 2/2

(前回の続き)

最近、脱力だけでなく弱い力に拘っている。

手を上げたり出したりするのは最小限に。
相手との接点は最小限に。
相手を崩す時の力も最小限に。

微弱な力ほど、相手はそれをすぐに察知することができない。
そして弱い力ほど相手の中にすんなり入ることができる。
そして自由自在に氣を送ることができるようになる。

逆に強い力はすぐに見破られてしまい、簡単にいなされてしまう。
しかし弱い力は?

実は弱い力に関して言えば、これは医療にも役立つ。
私は20代の頃酷いぎっくり腰を患ってしまい、片足で立てなくなってしまった。
そして行ったのが職場の人に紹介された磁器と気功の治療を行う治療院。

行った施術は、私の仙骨に極々微弱な磁気を送るというものだった。
私の体には一切触れず、小さな器具から微弱な磁気を送られる。
次第に私の身体に変化が起きだした。

1時間2時間経過するごとに、体がどんどんだるくなりだしたのだ。
これは体の治癒力が働き出したということ。
体が腰を治すことにパワーを使っているので、その他の力が出なくなってきたということになる。

そして翌日、私の身体に異変が起きた。
なんと、あの酷かったぎっくり腰が完全に治っていたのだ。
まるで魔法にもでもかけられたような気分だった。

約30年も前の話だ。

今でこそ、整体院では、ボキボキしない整体が流行っているようだが、
私はそれを30年も前に経験している。
しかもその施術が行えるのは日本に5人しかいないと言われていた。

曲った背骨を真っすぐにする力は自分自身が持っている。
しかし普段の悪い姿勢を続けていると戻る力がそれに負けてしまう。
どうすればよいか?

腰痛は自分で治せるのだ。

仙骨と丹田は繋がっている。
腰をゆるめ、丹田に十分氣を溜める。
そして痛む腰の部分に意識を送る。
すると患部である腰に氣が集まる。
氣が集まると、今まで滞っていた血がどわーっと流れるような感覚が得られる。

我慢できない腰痛なら整体院や病院に行けばいい。
しかし、実際に体を治すのは自分であるということを忘れてはいけない。
依存してしまったら、治癒力が下がり、ますます症状は悪化するだろう。

折角太極拳を始めたのだから、
単に、人前で演武するだけではなく、
自分の身を自分で守り、自分で治すチカラを身につけて欲しいと
私は思う。

もう一度まとめておく。

相手を倒したり、自分の病気を治したりするのは
強い力ではなく弱い力であるということ。
強い力を加えても自分も相手も拒絶するだけ。
自分も相手も受け入れる小さな力を使うこと。