2017年2月21日火曜日

ビデオ学習について

当会では新しく習ったことを思い出す手掛かりとして
套路をいくつかに分けて動画を配信しています。

そして「動画はあくまでも復習用として使ってください」とその都度付け加えています。
逆を言えば予習には使わないでくださいということになります。

本当のことを言うとあまりビデオに頼って欲しくないという気持ちもあります。
なぜなら稽古中「あとでビデオを見ればいいや」という甘えが生じてしまうからです。

稽古に集中しなくなり、その場でしか感じることのできない肝心なことを見落としてしまうことになります。

武術はビデオからは学べません。
だからこそ私も教えながら師から学び続けています。
そして師から注意を受けることは決まってビデオでは学べないことです。

形は意から生まれ、意は形を作り出します。
形だけを見て意を学ぶことはできません。

むしろビデオは2次元。
2次元は現実ではありません。
現実でないものから現実を学ぶことはできません。

3D映画にしても所詮は2次元を重ねたもの。
横から覗いても横は見えません。

いずれもビデオを見る時
2次元で読み取れない部分を自分の頭の中で3次元に変換しようとするわけですが
そこに〝思い込み”が生じます。
その思い込みによって悪い癖を身につけてしまい
武術の功夫を高めていくどころか、体に支障をきたすことすらあります。

ビデオ学習して体調を崩したり怪我をする人は想像以上に多いです。

今やYouTubeなどで多くの情報を得ることが出来、便利な時代になりましたが
それで学ぼうとすることは危険です。
娯楽としてや参考程度に見るのであれば良いと思うが、真似事で武術を学ぼうとすることはおすすめできません。

師から学べることは3次元ではなく4次元。
形だけではない〝なにか”を感じ、
それを学ぶことができるのは直接師から学ぶ以外にありません。

偉そうに語ってしまいましたが
全て自分の経験や失敗から学んだことです。