2016年11月10日木曜日

気の交流

私は「気」という言葉をいつも口にする。

気は目に見えない。
だから便利なんだ。

方程式で言えば、ある数値をXとする。
答えは出てる。
ではXは?

このXこそが気の正体。

気を作り出すレシピがあるとすれば、
それは「円」を意識すること。

直線からは作り出せない気。
楊式太極拳の動きは、平円、立円、螺旋から成り立っている。
だから美しい。

それだけではない。
この円の動きこそが大きなパワーを生み出す。

地球は止まることなく常に回っている。
そして地球も太陽の周りを回っている。
そしてその太陽系も銀河の中で回っている。
すべて円の動き。

風呂釜の栓を抜くと、排水口で水は渦を巻き起こす。
何故だか考えたことがあるだろうか?

答えは、地球は回っているから。
誰が知らなくとも水はそれを知っている。

即ち円を描くことは宇宙と繋がるということ。

だから楊式太極拳は気持ちいいんだ。


今日、弟子のMさんと一緒に双辺太極拳の全套路を通した。
実に気持ち良かった。

Mさんを肉眼で見ていてもあまり感じないが、
一緒に套路を行うことによって感じるものがある。
それは、とても落ち着いた安らかな気。

雑念も邪念もない澄み切った気。
それを一種のテレパシーのようなもので感じることができる。

何人かの会員さんがMさんの隣で套路を行うと気持ちが良いという理由がわかった。
Mさんは今年になってある決断をし、
ある柵から解き放たれたかのように太極拳を心底楽しんでいる。

雑念や妄想があると消えてしまうこの澄み切った気。

もし、ここで、「美しく演じよう」とか「カッコよく見せよう」とか思うと
あっという間に消えてしまうだろう。

これこそが無の境地だと思う。

そういえば最近Yさんの演武も変わった。
やはりスーッと気が落ち放鬆しているのが見ていてもわかる。

いずれも太極拳は頭で動くものではない。

もし宇宙と繋がりたかったら手っ取り早い方法がある。

頭を空にすること。


私は太極拳の時代は必ず変わると信じている。
何故なら、その太極拳で得られることは誰もが手に入れたいと思うものだから。