2016年2月11日木曜日

武術家として

前回より、私は調子が狂ってしまったことを書いてきた。

その原因のひとつが、私の生徒のこと。
先日の大会である種目が去年の成績をはるかに下回る点数となってしまった。

判定が出た時は自分の目を疑った。
厳正なる審査の結果だからもちろんその点数には意味があるわけだし、
そのことを振り返りもした。

私はその生徒がずっと成長するのを見てきたし、
本人も意欲的だったのでそれ相応の指導をしてきた。
そして最終リハーサルでは上々の出来だった。(もちろん完全ではないが)

本番ではノーミスでやってのけ、緊張の場面で堂々とした演武を見せてくれた。
私の目からは去年より一回り大きくなったと確信していた。

結果を知った時、私も彼女も激しく落ち込んだ。
そして私は自分の指導が足りなかったことを本人に謝った。

彼女が悪いのではない。
私が悪い。

そもそも私は競技用太極拳を行うための指導を本格的に受けたことがないし
その指導法も勉強したことがない。
私が今まで出会った師も大会出場をすすめなかったし、私もそれに従った。

しかし教える立場になった時に私の演武力をレベルアップさせる何かが必要だった。
それが大会出場を決めたきっかけだ。

話は戻るが、
彼女の演武力に関しては審判の方々から厳しい判定を頂いたが、
最近ひとつ驚かされたことがある。
それは推手だ。

確実に勁力が上がった。
放鬆の意味とその方法を掴んだようだ。

彼女はその後もくじけず今後も大会に対しての意欲を見せているが、
私としてはそれだけでなく本物の武術家に育てたいと思っている。
無論、そのために私はいっそう修行に励むことは言うまでもない。

私にとっての指導法は教えることではない。
私自信が努力している姿を見せることだと思っている。