2014年12月12日金曜日

動いてから考える

先日、Mさんの個人レッスンにおいて本番に向け駅前で演武を行った。
最初から一人では心細いだろうと、まずは一緒に演武した。
現場に到着してから、演武開始までの時間は多分5分ぐらいだったろうか?

ビデオカメラのセッティングに時間が掛かってしまったので少々もたついたが、
それがなければ1分かからず始められたと思う。

いずれも駅前なので練習と言えど、いわばストリートパフォーマンス。

ストリートでの鉄則。
躊躇してはいけないということ。

モジモジしていてはいつまでたっても始められないし、内にこもったしょぼい演武になってしまう。

ストリートでなにが得られるか?
それは間違いなく度胸。
メンタルが鍛えあげられる。
ストリート上がりのアーティストは逆境に強い。

いずれも勢いが大切ということ。
考えないで始める。
考えるのは終わってからでいい。

演武にしても、考えながら動くと丹田がオフになった状態になってしまう。
演武は脳で動くのではなく丹田から動くのだから。
丹田から動いた演武は強く美しい。
しかもそれを見た目で真似ることはできない。

そもそも武術は理論から始まったのではなく、実戦から始まった。
動くことによって知識と知恵がつき、そして理論ができあがった。
武術本ばかり読んでいてもとても上達するとは思えない。

套路も推手も散手も考えながら動こうとすると、どこかぎこちなくなる。
なんでもいいからまずはやってみることだ。

話は戻るが、次はMさん一人で演武するよう伝えた。
一瞬焦った様子だったが、ほとんど躊躇することなく始め、最後まで堂々とした演武を行った。
とても素晴らしかった。

私が評価したいのは演武中はもちろん、躊躇せずに始めたこと。
勇気のいることだ。
いつもとは明らかに目つきが違ったし、凛とした気が出ていた。

考えずに始めればあとは自分を信じるしかない。
きっとMさんは自分を信じて演武していたのだと思う。