2014年8月28日木曜日

誰でも片足立ちのプロフェッショナル

太極拳で一番厄介なのが独立歩(どくりつほ)。
片足で立って、もう一方の膝を上げたり、脚全体を高く上げたり。
当然、誰でもバランスを崩しやすくなる。

脚を上げようとするとふらふら~っと。
私もかなり苦戦しましたが、これって実はメンタルなんですよね。

なぜなら私達は普段から、いや、二本足で歩くようになった幼児期から片足立ちを行っている。
歩く時にもう一方の足を前に出す時、一瞬だが片足になっている。
いわゆる子供の頃から片足立ちになることは誰でもプロフェッショナルなのだ。

サークルの会員さんでも片足を上げたとたん、極端にバランスを崩す人が約二名ほど。
ふらっとする程度ではなく、脚をちょっと上げた瞬間極端にグラグラし、次の瞬間バターーーン!と床に足を着いてしまう。
本人達もこのことに悩み、私もどう教えようかと考えた。

まず、片足立ちは誰でもそうなることを伝える。
そして、先ほど言ったように今特別なことをしているのではなく、普段歩く時から片足立ちを行っていることを伝える。
いわゆるメンタルの問題であることを伝える。

次に二つ三つアドバイスを送る。

すると、どうだろう?
かなり短期間で本人達の努力が実り、見事に片足で立つことができるようになった。
つい最近の出来事だ。

さぞかし練習したんだろうなと。
正直感動した。

さて、独立歩の時何を意識すればいいだろう。
それは「意識しないこと」
さあ、脚を上げるぞ!などと思わないことです。

私が最初に教わった先輩の言葉を借りるなら、「波動を飛ばす」
足のことは足に任せて、腹から全方向に波動を飛ばす。

それともうひとつ。
これは独立歩に限ったことではないが、自分というものが単体ではなく地球の一部であることを思い出す。
人は誰でも地球と宇宙の狭間に生きている。
いわゆる、繋がっているということ。

地球には引力があり、そして宇宙はビッグバン以降常に広がっている。
この沈む力と広がる力を利用しない手はない。

フラミンゴはあの細い足でずっと片足で立っていられる。
地球に生きる生物は本能的にそれを知っているんだと思う。

と、偉そうなことを言っておきながら、私も人前で演武する時はついヘンな意識を起こしてしまい、足に意識がいってしまう。
そしてバランスが怪しくなる。
実はこのことを一番踏まえないといけないのは自分自身だ。(笑)

2014年8月25日月曜日

伝統大会の反省会と原因探し?

皆さまの熱いご声援のお蔭で、昨日行われた中国伝統武術近畿交流大会は何とか入賞を果たすことができました。

入賞は全く考えてなかったので本人かなり驚いているのですが、少しは日頃の練習の成果が出たのかなと。

正直、大会向けの練習はハードだし、体の各所にも支障も起きる。
なので、どんなに練習時間の枠をたっぷりとっても肉体との戦いになり、なかなか思うような練習はできない。

そこで考えることは、どうすれば体に負担を掛けず効率の良い練習ができるか?
そう考えて取り組んだのが、完全脱力の太極拳を練るという練習法。
これが実に気持ちいい。

もちろんこの太極拳は試合には全く通用しない。
料理でいえば下ごしらえみたいなもので、揚げる前のエビフライのようなものとでもいいましょうか。(笑)

私の場合は形意拳での出場だったので、同じ歩型の双辺太極拳を選択。
美しさとか形とか全く考えず、まるで眠りに入るかのように脱力して套路を練る。
カラダは地面に沈んでいくように。
手は空を舞うように。

このように套路を練ると、無駄な力みがどこにあるかが浮き彫りになるし、更に力のコントロールが容易になる。
自分の体を自分で支配できるようになるとでも言おうか。

こんなこと当たり前だと思うかもしれないが、なかなか思うように演武できないのが太極拳。
意と体が一致するとまるでそれは自分で自分をリモートコントロールするような感じになる。
といいつつ、まだまだ出来てないのだが。(苦笑)

いずれも、今回何故私は入賞できたのか?
自分でもまだわからない。
他の選手はどうみても自分より素晴らしい演武をされていたのに、私は一体どこを評価されたのか。

ひとまず、自分の中で良かったと思えることは最後までスタミナを温存できたことだろうか。
息切れすることなく最後まで自分自身をコントロールすることができた。

反省会というより、何故自分が入賞したのかが解らないと言うのが本音です。(汗)

といっても反省点も大いにある。
手直ししなかったことが結局本番に間に合わなかったこと。
本番で一か所少しバランスを崩してしまったこと。

今回の反省点は站椿功(たんとうこう)がいつもより少なかったことだろうか。
やはり站椿功と放鬆太極拳(ほうしょうたいきょくけん)をバランスよく行うことが大事だと思った。

それにしても試合に出ると自分のすべきことが明確になりますね。
次の目標に向かってまた頑張ります。

2014年8月22日金曜日

太極拳で美しくカッコイイ体をつくるために

気功と太極拳をバランスよく行うと、如実に体に変化が起こり始めます。
私がまず感じたのは、肩こり腰痛の軽減。
いや、ほとんどなくなったと言ってもいいほど。

特に腰痛は辛かった。。
しかし今では腰もピンピンしております。(笑)

もうひとつは、体がスリムになった。
特に感じたのは下っ腹。
私は元々痩せ形だが、下っ腹がぽっこり出ているのが子供の頃からの悩みだった。
多分胃下垂なのではと思う。

が、今では見事に下っ腹が引っ込みきゅっと引き締まっている。
息を吸ってお腹をひっこめたりするズルなしでだ。(笑)
おまけにウエストも細くなり、ズボンがずり落ちてくると言う始末。

こうなるまでに45年掛かった。
というより、こうなったのは気功と太極拳を本格的に始めたからだ。

最近入会された男性会員さん、ご本人には申し訳ないけど、体系の割におなかがぽっこり。
典型的なメタボ体型なんでしょうね。
そのお腹が見るたびにどんどん小さく。
ご本人はあまり気づいてないようだが、私の中ではかなり驚いている。

ということで、美しいボディ、カッコイイカラダを目指すなら、気功と太極拳はかなりおすすめ。
不思議なのが、決して息が荒れるようなハードな運動をしないのに、ゆる~い動きの中で楽しみながらどんどんシェイプアップすること。

ただ、単に気功と太極拳だけでそうなるかといえば、そうとも言い切れない。
私は栄養学が専門だが、ボディを引き締めるためにも、丈夫な足腰をつくるためにも良質なたんぱく質は絶対欠かせない。
人間の体の約30%はタンパク質でできているからだ。

タンパク質を摂らなければ代謝がどんどん遅れ、肌の表面は古い角質で鬱積するだろう。
見た目も浅黒くなり、ハリがなくカサカサとした肌になる。
これ、タンパク質不足のバロメーターです。
引き締まったボディにするためにもタンパク質は欠かせない。

私は毎晩、完全無農薬、完全無化学肥料の100%オーガニックプロテインを毎晩飲んでいる。
カッコイイボディつくりには栄養は欠かせないのだ。

折角、気功と太極拳で美しく強く健康になれるのだから、食生活もきちんと見直したい。

2014年8月20日水曜日

太極拳に近道はない

私もそうだったのだが、套路を覚え始めると楽しくて、どんどん先に進みたくなる。
そんなこんなで11年。
未だにしっくりこない。(笑)

サークルでも先へ先へと進みたがる会員さんを今までに何人か見てきた。
が、結局途中でスローダウンしたり、フェードアウトしたり。

何事も急ぎ過ぎると息切れして長続きしないが、太極拳に限っては特にそう。

いきなりまとめに入るが、
太極拳とは一生かけて取り組んでゆくものだ。
よく言われることだが、私も今までやってきて確かにそうだと感じた。

太極拳に近道はない。
もちろん毎日たくさん練習すればそれなりに美しい演武が出来るようにはなる。
が、それは太極拳の一面に過ぎない。
そもそも400年もの歴史がある太極拳を数か月で習得できるはずがないのだ。

伝統楊式太極拳にしろ、まだまだ研究したいことは山積み。
この奥深い太極拳が楽しくてならない。

2014年8月19日火曜日

誰にでもできる太極拳を

前回の記事を読んだある会員さんから「練習内容が変わるんでしょうか?」という質問が届いた。
どうやら説明が足りなかったようです。。

練習内容は今まで通りです。
ただ、私の口数が減るだけです。(笑)

どういうことかと言うと、何度かこのブログでもお話してきたが、あまり言葉で細かく説明すると、かえって混乱したり、言葉によって雁字搦めになり、のびのびとした本来の太極拳から遠ざかってしまうのではと感じたから。

例えば、検定向けの太極拳はあまりにも動作に対する約束事が多い。
もしかしたら、元はたった一言で伝わることだったのかもしれない。

太極拳に限らず、約束事が多ければ多いほど力みを抜くことは難しくなる。
車の運転にしろマニュアル片手に運転する人はいないし、横から教官にごちゃごちゃ口うるさく言われると余計に感覚が鈍ったりするものだ。
要は慣れの問題だと思う。

当会では、太極拳を通して、ゆるみの中にある心地よさを逸早く体感して欲しいと思っている。
そのためには約束事を減らさなければならない。
従って口数が減ると言うことになると思う。(笑)

私は元々体が固く、筋力もあまりない。
学生時代、美術と音楽が好きだった私にとって運動は無縁だと思っていた。
しかし今では中国武術で最も有名な太極拳の指導を行っている。

いずれも、私は空高く脚を上げたり、ジャンプしたり、地を這うような下勢をしたりはできない。
素直にカッコイイと思うし憧れもするが、そのような動作を求めるあまり体が悲鳴をあげるような過酷なトレーニングを強いることは避けたい。
なぜなら心地よい太極拳から遠ざかってしまうからだ。

身体の固い人も、体力のない人も、高齢者にとっても、
誰にでもできる太極拳を伝えて行きたい。

ゆるみの中から得られる、真の強さを身につけ、本物の美しさを手に入れて欲しい。
無論私もそれを目指している。

2014年8月18日月曜日

太極拳によってゆるめる

最近、サークルで高齢の方が増えてきたので、方針の軌道修正しようと試みている。
いわゆる基本的動作よりも、ゆるめることにウエイトを置こうと。

私は自主練の時に必ず抜筋骨や気功を最初に行うが、
次に行う太極拳も、太極拳として太極拳を行うのではなく、ゆるめるための太極拳を行うととても調子がいい。
いわゆる、太極拳を動く気功と考える。

意識の持ちようなのだが、ゆるめることを重視しながら套路を練ると、無駄な力が入っているのがよくわかる。
それを気が付くたびに、ゆるめる方向に。
すると、指先、掌、腕、体全体で気を感じるようになる。

この“気”を味方につけることで、様々な奇跡を起こしてくれる。

例えば、ストレッチも筋トレも行っていないのに、その後の競技用套路が実に好調。
筋力に頼らずして軸がぶれにくくなる。
それになにより、体のリフレッシュ感がぜんぜん違う。
肩こり腰痛が嘘のように軽減し、気分もスッキリ。

ということで、今後は見栄えはパッとしないだろうが、ゆるめることを主体とした套路を指導して行こうと思う。

逆に形から作ろうとするとどんどん力みが生じ、リフレッシュ感どころか正しい形が出来ないことにストレスさえ感じてしまうだろう。
しかし、ゆるめる太極拳を行えば、美しい太極拳も意のままになると感じた。

ひとまず、実践しながらそれを証明していくしかないのだろうな。