2014年4月25日金曜日

套路を覚えてからが出発点

私が初めて習った太極拳は伝統楊式太極拳。
あまりにも先生が気持ちよさそうに演武してるので、自分も早くそうなりたいと思った。

どうすれば先生のように力みがなく柔らかい動きになるだろうと。
そのためには早く覚えてしまうことだと思った。
先生の演武をみながらやっていたのでは、いつまでたっても力みは抜けないと。

だから、本当の太極拳は套路を覚えてからだと。
覚えるというより、覚えきってしまうという感じだろうか。

そして、今度は体にやらせる。
頭で動こうとするのではなく、自分自身に勝手にやらせるのだ。

何かを始めようとする時、決まって頭で考えようとする人をみかける。
かつての私も何か行動する前にいろいろ考えてしまう悪い癖があった。
太極拳を上手に演武するにはどうすれば?と考える。
この時点で本当の太極拳ではなくなってる気がする。(覚えるまでは無論頭を使うが)

いずれも頭の中に貯蔵されているデータは過去のデータのみだ。
過去のデータをどんなに参照しても今以上の演武ができるわけがない。

ではどうすればいいか?
私は“腹に任せる”という感じで考えている。

腹(丹田)は体の中で唯一未来のパワーを貯蔵することができる部分。

考えないで動こう。
頭を使わなければ自動的に丹田にスイッチが切り替わる。
腹は自分でものを考えることができるのでリトルブレインと言われているが、とにかく丹田にやらせる。

自分のまわりをとりまくものは空気だけではない。
水蒸気、イオン、磁気、プラズマ、宇宙線・・
さまざまなものが存在する。
その中でも自分にパワーを与えてくれるものだけを自分の中と周りに集める。

体幹から手をすぅ~~っと流していくと、空間の粘りのようなものとビリビリビリ~という磁力のような摩擦を感じる。
頭で考えたり力で動くとしているうちは決して体験できない感覚だと思う。

頭をからっぽにすることはストレス解消にも大きく役立つし、太極拳の本質を掴んでいくステップになると私は信じる。