2014年2月5日水曜日

点と点を曲線で結ぶ

私が最初に太極拳を教わった時は分解しては教わらなかった。
1、2、3という風に。
先生が模範を見せてくれるから、それをその場で必死に真似ようとする。

先生の動きはとても滑らかで柔らかい。
だから、その場ではどういう動きをしているのかすぐには解らない。
直線ではなく曲線で動いているからだ。

例えば一枚の紙に点で円を描こうとしたら、無数の点を描かなければならない。
点の数が少ないと単なる多角形になってしまう。
だから、本当は1、2、3だけでは言い表せないのだ。

私がサークルで指導する時、分解して教えているが、それはあくまでもスピーディーに大まかな動作を覚えてもらうため。

本当は点と点を直線で結んではいけない。
太極拳の動きは常に曲線だから。
曲線だからこそ美しく、そして精巧な技として使えるようになる。

長年太極拳をされている方でも、しばしば直線で動いている人をみかける。
点と点を直線で結んでいるのだ。

指導する時は分かりやすいよう点と線で教えているが、早く皆と一緒に曲線の世界を楽しみたいなと思う。
太極拳の気持ち良さは曲線の中にあるから。