2014年1月19日日曜日

何のために?太極拳

先日、体験で来られたある方が、「何のために太極拳をやっているのかわからなくなった」という理由で当会を訪れられた。

私は深く頷いた。
そういう私もある時、それがわからなくなったから、今のサークルを立ち上げた。

要するに、太極拳の型を覚えて一体それがなにになるんだろうということ。
型を覚えるために正確な姿勢や動作を教え込まれる。
だが、その姿勢や動作はなんのために?という素朴が疑問が湧いてくる。
型をやっているだけで楽しいという人も多いようだが、そうでない人もいるわけだ。

もちろん、きれいに演武できれば気持ちいいしカッコイイ。
だが、そこに演武とは直接関係のないと思われることもいろいろと要求される。
それは何かといえば、武術的な動作を身につけるための要求だったりする。
しかし、太極拳を習ったからと、組手をやるわけでもなく、誰かと戦うわけでもない。
というよりその技すら教わらない。

これはあくまでも私個人的な意見なのだが、武術志向でないならば武術的要素は省いてしまっていいように思う。
体操、舞踊としてきれいに演武できればそれでいいのではないかと。
太極拳の枠を超えたもっともっと素晴らしい芸術的な演武が生まれるかもしれない。

まあ、それは極端にしても、健康目的や怪我防止策のための要求であれば必要だが、武術をしないのに武術要素を要求しようとするのはいかがなものかなと。

いずれも太極拳をどのように楽しむかは個人の自由だと思う。

武術として身につけたい。
きれいな演武ができるようになりたい。
健康になりたい。
きれいになりたい。
スリムになりたい。
元気になりたい。
癒しを得たい。
神秘体験をしたい。

人さまざまだ。

因みに私はよくばりだから、全部だ。
でも、順番がある。

まずは健康でなくてはならない。
だからまずは健康志向の太極拳を行う。
健康があって初めて美やスリムなプロポーションが成り立つ。
次にきれいな演武、そして最終的に武術として身につける。

私は太極拳が世界一美しい武術だと思っている。
だから演舞して楽しまれるのはごく自然な流れだと。

せっかくだから、太極拳で大いなる健康を手に入れ、美しく、強くなり、最終的には神秘体験も。
こんなおいしい武術は他にないと思う。

今そのプログラムを模索しながら組み立てているところだ。